市民のための公文書管理法制の制定を求めるネットワークのブログです


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公文書市民ネット・10の提案(意見)

「公文書管理法への意見」と「公文書管理フォーラムの開催」について

 日頃より、大変お世話になっております。
 さて、市民の知る権利を確保し、国の機関や地方公共団体等の透明性を実現するためには、情報公開法が機能する上での前提となる公文書管理法の制定が必要不可欠であると考えています。それは、国等から市民への説明責任を保障し、情報公開を実質的に促進することから、民主主義の基盤となるものです。年金記録の紛失やC型肝炎感染被害者リストの放置、海上自衛艦航泊日誌の廃棄など公文書の杜撰な管理実態を踏まえ、政府は「公文書管理法案」を3月3日に閣議決定し、国会に提出しました。そして、近々にも国会での審議がなされる予定とお聞きします。
 このような国会等の動向に対して、「政府のための公文書管理法」ではなく、「市民のための公文書管理法」を制定するべく、「市民のための公文書管理法の制定を求めるネットワーク」を設立し、この間活動してきました。
 その一環として、「公文書市民ネット・10の提案(意見)」を提示するとともに、「第2回公文書市民フォーラム」の開催を準備しております。
 つきましては、国会審議に向けて今一度実際に機能する制度になるよう、提案(意見)をご覧いただきますとともに、フォーラムへのご参加のほどよろしくお願いいたします。


公文書市民ネット・10の提案(意見)

1.公文書は「公共財」、市民には「知る権利」が(第1条関係)
 政府案では、“現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすること”を目的としている。そのことは評価できるが、公文書は“公共財”であり、市民にはそれを“知る権利”があることが示されていない。
 目的に、公文書は“公共財(国民の共有財産)”であり、市民にはそれを“知る権利”がある、との記述を明記することを求める。

2.公文書等を広義に捉える(第2条関係など)
 政府案では、①行政文書、②法人文書、③特定歴史公文書等を「公文書等」とし、「行政文書」とは“行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。”とされている。この定義は、行政機関情報公開法と同様の定めになっている。
 「公文書等」を広義に捉え、立法、司法、行政における政策立案・形成、業務等に関する資料、文書、記録等を位置づけることを求める。また、独立行政法人や特殊法人、認可法人など公的機関が民営化された場合においては、民営化される以前の政策立案・形成、業務等に関する資料、文書、記録等を位置づけることを求める。さらに、個人的なメモ(2人以上で回覧・閲覧したもの等)なども含めることも求める。

3.公文書管理機関を3条委員会に(第5章関係など)
 政府案では、内閣府に「公文書管理委員会」を置き政令事項などについて諮問しなければならない、としている。これは、内閣府設置法第37条の3項にもとづく機関(審議会と同等)であり、役割や権限について不十分であると思われる。
 公文書管理機関は、今後また将来の公文書管理のしくみを構築するうえで重要な組織であり、規則制定権等一定の権限のある“国家行政組織法第3条に基づく組織”とし、別の法律で定めることを求める。なお、その業務の遂行にあたっては、国立公文書館と連携協力(牽制も含む)のもとに進めることはいうまでもない。

4.作成義務は広範に(第4条関係など)
 政府案では、当該行政機関の“意思の決定”、“事務・事業の実績”について、文書を作成しなければならないものとしている。
 「作成義務」の範囲を、意思の決定、事務・事業の実績はもとより、事務・事業等における“意思の形成(政策形成)”などに関する資料、文書、記録等も含むよう求める。

5.取得義務の明記を
 政府案では、4のとおり作成の義務規定はあるが、「取得」についてはなんら示されていない。
 各機関の委託等による事業報告書等や、業務遂行において必要なものについては、その元となるデータ資料等についても取得の義務を法律で定めることを求める。

6.「政令事項」、「行政文書管理規則」へのチェック機能を(第4条から第10条関係など)
 政府案では、「第2章行政文書の管理」で、作成、保存、保存期間・延長、移管・廃棄などに関する内容(統一的なルールなど)については、公文書管理委員会に諮問し政令で定めることとしている。また、「行政文書管理規則」については、内閣総理大臣との協議、同意のもとに各行政機関の長が定める、こととしている。
 円滑な公文書の管理には統一的なルールが必要であり、その基本(基準)となる事項を法律で定め、それに基づき公文書管理機関の長が政令(規則)等で詳細な事項を定めるといった規定にすることを求める。また、各行政機関における「行政文書管理規則」については、(公文書管理機関の長の承認など)その作成過程で当該行政機関以外のチェック機能を定めることとするよう求める。

7.移管・廃棄権限を行政機関以外に(第5条、第8条関係など)
 政府案では、行政機関の長が、保存期間が満了した行政文書ファイル等を移管又は廃棄しなければならない、としている。
 移管・廃棄の決定に際しては、規則等で統一的なルールを定めることともに、公文書管理機関の長の承認のもとに行うなど、行政機関の長のみの権限ではないこととするよう求める。

8.保存期間の判断を行政機関以外に(第5条関係など)
 政府案では、行政機関の長が保存期間とその延長などを定めることとしている。
 保存期間や延長の決定については、規則等で統一的なルールを定めることともに、公文書管理機関の長の承認のもとに行うなど、行政機関の長のみの権限ではないこととするよう求める。

9.中間書庫の設置、機能を明確に(第6条関係など)
 政府案では、行政機関の長が適切な保存及び利用を確保するために“必要な場所”において、保存しなければならない、としており、「中間書庫」に関する明確な記述はなく、機能が不明確である。
 「中間書庫」に関する規定を明確にし、その設置、機能等を法文上明記することを求める。

10.国立公文書館を「特別の法人」に(第15条関係など)
 政府案では、特定歴史公文書等については「国立公文書館等」が管理、保存、利用等を行うこととしており、その役割は重要であるが、独立行政法人ではその任務を果たすことは困難ではないかと思われる。
 国立公文書館は、現在の独立行政法人ではなく、“特別の法律により設立された法人(特別の法人)”とし、その役割や権限などを明確にするよう求める。また、特定歴史公文書の利用制限や利用料なども明確にし、その策定段階での情報公開、市民参加等を明記することを求める。

11.その他の重要事項として(検討事項など)
○「法律の見直し」に関する規定を求める。
○立法、司法などにおける文書管理のしくみを検討し、立法上の措置を講じることを求める。
○「公文書館法 附則の2」を削除し、専門の職員の人材養成等に関する規定を求める。
○必要な罰則に関する規定を求める。


PDF版
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/shiminnet.pdf

○関連団体による意見書等
特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス「公文書等の管理に関する法律案に関する意見書」
http://homepage3.nifty.com/johokokai/kobunsyo_ikensyo.pdf

川村一之(呼びかけ人)「政府の公文書管理法案に対する修正意見」
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/kawamura.pdf

まさのあつこ(呼びかけ人)「公文書管理・政府法案への意見」
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/masano.pdf

瀬畑 源(呼びかけ人)「公文書市民ネット・11の提案(意見)に関する補足意見」
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/sebata.pdf

歴史学研究会「公文書等の管理に関する法律(公文書管理法) 政府案に対する要望書」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/rekiken/appeals/appeal_090402.html
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by kobunsyo_net | 2009-04-28 17:43 | 公文書市民ネット